グレースタイル コミックギア、面白いか面白くないかでなく
m9パール
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買いました。
まず連載作品の感想から。かっこは作者名。

スーパー俺様ラブストーリー(ヒロユキ)
たぶん看板作品。

俺様系だけど女性に対してはシャイな主人公のラブコメ作品。
範馬刃牙以上に見開きを多様する。その他のページもコマがデカイのばっかり。というか、コマ割ってねぇ。
絵は今風で惹かれるものがあるけど、ヒロインの登場の仕方はもう少し何とかなったんじゃねぇか、と思います。
連載陣の中で最もキャリアが長い人だけあって、それなりに読める。それなりに。
ただ、94Pも使う必要はありません。42Pぐらいに凝縮出来ればもっと良かった。

どうでもいいですが、ヒロインのアクションシーンがバーサス並みに力技です。

マシンガンソウル(じゅら)
熱血バカな傭兵の話。序盤と中盤、終盤あたりの温度差がすごい。
別に傭兵じゃなくてよかったんじゃねぇの、みたいな話。軍オタが見たら絶対怒る。
後、コマがいちいちでかい。

大魔王ザキ(若林稔弥)
俺様系DQNがDQNに師匠に逆らって、封印された魔物をDQNに解放して、DQNに倒して、DQNなオチなマンガ。
酷い。
この手の主人公は話の中で一度は落とさないと、不快感が残るだけだろうに、常時持ち上げ状態。
酷い。
後、コマがいちいちでかい。

ゴーストラッシュ(ユーゴ)
潔癖症俺様系主人公が異形をぶった斬る話。
設定だけ見るとファンタジーだけど、人が襲われているのに服が汚れるからというだけでだんまり、というDQN。
で、自分の服が汚されたら大暴れ。
酷い。
ダーク系を描きたいのなら徹底的にやった方がいいかと。この主人公はダーク、じゃなくて小物なだけ。
後、コマがいちいちでかい。

GoodGame(友吉)
相変わらずの俺様タイプだけど、こちらはお話も設定もそれなりに読める。
ゲームプロとかそういう話。

主人公の天才設定が露骨だが、一話としては良かったと思います。
ゲームの設定をしっかり作り込めれば化けるかも。
コマ割りも小さすぎずデカすぎず。

ヒヨコと道化と不思議の町と(とりねこ。)
不思議な空気系漫画といっていいのかな。主人公がまともなだけで新鮮。
コマはデカイものの、それを生かして話も作られています。
道化の絵が変わっていく様子なんかはすごく良かった。これは一読の価値あり。

デスハート(佐藤ユーキ)
主人公の設定だけで後の展開が読めてしまいます。
酷くはないがつまらない。
コマがでかい。

アシュラ(櫻井マコト)
勢いのないDMCみたいな感じ。
一話はまだ読めるが、何やってるかわからない感の方がすごい。
2話目になったら飽きそうです。
コマはでかいけど、そこまで気にはならない。

プリンセスサマナー(九品そういん)
遊戯王のルールを大ざっぱにオマージュしたカードバトルマンガ。
主人公とヒロイン(ライバル?)のキャラはオーソドックスで悪くない。
ただ、やはりメインであるだろうカードのルールがあんまりです。

LP5000でダイレクトアタックありのルールなのに、ライフ2000払っただけで攻撃力6000のモンスターが何のデメリットも無しにホイっと出てくるなんて、バランスもクソもあったもんじゃねぇ。
後、カードの絵柄がなぜことごとく女の子なんでしょう。せめて一体ぐらいクリーチャータイプがいてもおかしくなかったのでは。

カードバトルの流れも初期の遊戯海馬戦以上に力技だし、このまま続けるには無理があるので、カードの設定ももっと練って欲しい。
コマ割りはやっぱりデカイけど、そこまで気にはなりませんでした。

以上、520P、全9作品。
作品数、すっごく少ないですね。後、揃いも揃ってコマでかすぎ。
これ、ちゃんとコマ割って描けば半分ぐらいのページ数で済むんじゃないだろうか。
九人しか載っていないのに(おまけにカラーページはヒロユキ先生だけ)590円っつうのも少し高すぎでは。
ページ半分、お値段350円が妥当なところだと思います。

以下、総評。
長くなってしまったので折りたたみます。

結論からいえばプロの漫画誌としては評価できない。 値しない。

同人誌的すぎるから。

コミケ、コミティアといった相応の場所で出せば、それに対した評価は得られただろう(絵はどの作品も今風で良いと思う)。

他誌と違って、編集の介入を削った事で漫画家は気持ちよく創作しているかもしれない、漫画家同士で集まり切磋琢磨しあっているかもしれない。

だが、そこに読み手への意識は無かった、感じ取れなかった。

読者への意識を欠いた悪い意味での超同人誌的商業誌(もちろん読者を意識した同人誌は無数にある、というか普通はそう)。
わかりやすくいえばオナニー。

創作とは突き詰めればオナニーにたどり着くだろうが、それをいかにして見せられる行為にするかが創作者の腕の見せどころだと私は思う。
コミックギアにはこの見せられるものにするという感覚がない。

発起人の回りだけで固めた執筆陣、似通ったタイプの主人公、白い背景、話の濃度に対して多すぎるページ数、でかすぎるコマ割り、多用される見開きとぶち抜き……。
誰かが止めるべき、指摘するべき負の要素がまるで修正されていない。

新感覚の漫画誌雑誌商業誌として売り出してこれではちょっと。

多様な作品を載せていく漫画誌としてやるならば、もっとするべきことがあるんじゃないだろうか。

次号は11月発売らしいが、このやり方でどこまで続くのだろう。
漫画家同士が集まって一つの雑誌を作り出すという行為には興味をそそられたが、非常に残念な結果になってしまったと思う。

それと、ここまで書いたからには書いてしまうが、登場キャラクターの魅力(冒頭でヒロユキ先生が言っていたコミックギアが力を入れた部分だそうで)なんてものは他誌のどんな漫画作品、漫画誌であれ考えている事だと思うのだけど。
当たり前すぎて言わないだけ、力を入れて当たり前なだけで。

読みやすさという点だけは良かったですけど。ライトで敷居が低い。悪いことじゃあない。
最低限の味付けは必要ですけど。

……えーと、以上、コミックギアの感想でした。
うん、やはり漫画家は漫画描いてナンボだなぁ。

興味をそそられたと書いたけど、個人的にはこういったやり方もあまり好きではありません、生みの苦しみは個人個人が孤独に耐えていくものだと思うので
コメント
この記事へのコメント
>生みの苦しみは個人個人が孤独に耐えていくものだと思うので

大人数でシステマチックな分業体制ひいて、工業製品としてのマンガを製作するのもありだと思うんですよね。
でもそういうことやるなら冷徹なマーケティングやらディレクションが必要になるわけですけど、そういうのもありませんよね……
2009/08/14(金) 16:38 | URL | たした #-[ 編集]
>たしたさん
さいとうプロみたいなのが近いでしょうかね。それなら全然ありですね。

>>冷徹なマーケティングやらディレクション
ただ身内でわいわいやっただけ、みたいな感じになっちゃってますからねぇ。
指摘・ダメ出しを出来る人材を別個配置する(身内から遠く離れた存在)とかそういった処置が必要かもしれません。

でも、それって編集の仕事であって、結局は編集いるじゃん、って事になりますよね……。
そうなると、コミックギアのコンセプトが否定されちゃう。うーむ。

何にせよ、このままの体制でいくと先行きかなり辛そうです、もっと風通しをよくしないと。
2009/08/16(日) 01:51 | URL | Sinsen #-[ 編集]
作家として編集者との付き合いがある人間ですが。
編集者は絶対に必要です。
昨今ネット上で不要論が唱えられていて関係者として頭が痛いので、こういう形で現実が示されてよかった、と感じます。
地雷を踏む羽目になった方には申し訳ないと思いますが……

「間に一人醒めた人間が挟まる」ということの重要性、とでもいいますか。
特にキャリアのない若手にはどう頑張っても限界があります。そもそも面白いことを(独善的に)思いつける才能ある作家ほど、ディレクションの能力、客観性に欠けているわけで……
作家にとってどんなに邪魔で不愉快に感じられようと、冷静なプロデューサはいかなる場合でも必要です。

最初に雑誌の企画を目にしたときは面白いかな、と思いはしたのですけれど、
正直申し上げてヒロユキさんでは、全くキャリアが足りていないとしか思えません……
宮崎駿ですら、鈴木敏夫がいなければ今頃どうなっていたか怪しいのですから。

某有名漫画家さんも、ウェブ配信にする云々言っていますが、どうなることやら……
2009/08/16(日) 18:01 | URL | ゲド #-[ 編集]
そーですね
商業誌的同人誌、という言葉がすごくぴったり当てはまると思います。
少し前に話題になった同人誌に「少年フェイト」というものがありますが、素材としては全然違うものの、方向としては同じ方を向いているような気がします。
「少年フェイト」は一発ネタで1号のみで完了することを前提として発行されたFateネタオンリーの少年ジャンプパロ同人誌、ということで話題をさらい、笑いも集め、ネタとして楽しめました。
それと同じモノを商業誌としてオリジナルでやってしまうと、一発ネタを外してしまった寒いギャグとしてしか取られないのは当然でしょう。
もともと「一発ネタを外してしまったギャグ」を得意としているメンツが揃っているのですから、なおさらです。
編集サイドも作家を野放しにしていることを公言していますし、もともとがそういうコンセプトの雑誌なんでしょうね。
ただ「BAKUMAN」でも言われているように、全体の20%の読者が支持してくれればそれでいい、という考え方でいけばこういうスタイルもアリなのかもしれません。
BAKUMANと違うのは「全体」がジャンプだけでなく、市場全体を示していることですが。
そう考えれば、コミックギアが雑誌としてではなく、ムックとして発行されたことにもうなずけます。
雑誌とムックとでは発行部数にえらい差がありますからね。
雑誌としてのコンセプトがピンポイント爆撃的な発想ですから、ブログなどのコメントとして世の大勢が否定的なのもうなずけるところです。

個人的にはヒロユキ、及び愉快な仲間たちをかれこれ8年ほど読んできた人間なのでターゲットが狭いことはハナから分かっています。
壁サークルの中でも一番行列が短いですからね、あそこ(笑
2009/08/17(月) 16:17 | URL | Kitta #pYrWfDco[ 編集]
>ゲドさん
コメントありがとうございます。

実際に創作に携わる人からコメントをいただけるとは嬉しいです。

編集不要論は前々から細々とあったものが雷句提訴事件あたりから爆発したような気がします。
個人的には切っても切れない関係だとは思っているのですが……。(とはいえ、編集批判などはうちのブログでもたまにしてしまいますが)

間に一枚挟んで、濾過することは大事なこと、なんですよね。

しかし、まぁ、編集の介入を大きく削り、漫画家主導というコンセプトを掲げた本誌が結果として編集の重要性を説くことになってしまったのは皮肉なもんです。
2009/08/19(水) 21:47 | URL | Sinsen #-[ 編集]
>Kittaさん
コメントありがとうございます。

少年フェイト、懐かしいですね。
結局、私は買えなかった。

フェイトと違い、ギアは全部が全部続きもの作品ですからね。
一発ネタを引っ張ろうとする姿勢は見ていて辛いものがあります。

ピンポイント爆撃、言われてみればその通りですね。
20%の読者には素晴らしい雑誌なんだと思います。
私にとってのチャンピオンのように。

漫画誌の作り方変えてみました、なんて言い分が無ければ、ヒロユキアンソロとしては高評価だったのかもしれません。
注目度を高めるためには、仕方がない事だったのかもしれませんが、結果として多くの批判が出てきてしまってますからねぇ。

この状態で、2号、3号と続けられるかどうかが気になるところです。
新規読者の開拓も狙える感じじゃないですからねぇ……。

ムックである以上、無くなるときはひっそりなんだろうなぁ……。漫画界は厳しい。


2009/08/19(水) 22:00 | URL | Sinsen #-[ 編集]
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